定量分析と定性分析の使い分け



今回は、定量分析と定性分析の使い分けに関して説明していきます。
この記事の指す「定量分析」は、マーケティングリサーチや研究において、収集した各種の数値データ・文字データを数値に変換したデータなどの定量データを統計的手法などを用いてより客観的に調べる分析を意味しています。
一方、この記事の指す「定性分析」は、マーケティングリサーチや研究において、インタビューや各種の記事を収集して(収集したデータを加工することはあまりない)自身の経験や知識を絡めて独自な見解を出す分析を意味しています。

よくどちらかに優劣をつけようとする議論が挙がりますが、その議論の結論としては「使い分けが大事で、どちらか片方しか使えないと非常に勿体ない。」です。どちらも一長一短あるので、どのようなケースでも片方しか使えないと適切な分析結果を出すことができないと言えます。では、以下に特徴を書いていきます。

■特徴
・定量研究
客観性重視、事実重視(ファクトベース)、正確性重視(エビデンスベース)、物事の抽象化、過去の分析に強い

・定性研究
独自性重視、経験重視、ユーモア重視、物事の具体化、未来の分析に強い

定量研究は過去のデータからより客観的に分析して正しい事を伝える分析です。一方で、定性研究は自身の経験と過去の記事やインタビューや行動観察などから総合的に分析して斬新な切り口を示す分析です。次に、上記を踏まえた上でメリットとデメリットを見ていきましょう。

■メリット・デメリット
・定量分析
メリット ⇒ 
①主観を極力除いた客観的な結果を得やすい
②物事を俯瞰しやすい
③手法や対象が同じだと、同じ結果が得られるはずなので、分析者の違いで評価が変わりにくい(実績や経験が少なかったり、斬新な切り口を考えることが苦手だとメリット)
デメリット ⇒ 
①データがないと分析できないので、過去の挙動をとらえることしかできない(過去からの予測はできても新しい流れを生み出せない)
②全体の意見を集約することが多いので、平凡な結果が出やすい

・定性分析
メリット 
①自身の経験を活かした独自の結果を得ることができる
②物事を具体的にとらえることができる
③自身の経験・知識・立場・思考法によって評価が変わりやすい(社会的立場がある人や、経験・知識が豊富な人や、斬新な切り口を考えるのが得意な人だとメリット)
④マイナーな意見や独自な思考を取り入れることで、新しい流れを生み出しやすい
デメリット
①結果に客観性が少ない
②統一的な作法が少ないので、分析の質のバラつきが大きい

時間軸から考えると、過去の事実を調べることは定量分析、未来の流れを作ることは定性分析です。よく定量分析派から「AIで未来を予測できるだろ。」という声が聞かれますが、これは正確ではありません。AIは直近の兆候(流行りの兆し)を観察し、それをピックアップ(予測)できるに過ぎません。つまり、AIなどの定量分析は新たな未来を作り出すことは困難だということです。勿論、AI技術を使って他のモノやサービスと組み合わせて新しい未来を作り出すことは可能ですが。併せて自身の見解としては、過去の分析は基本的にはハロー効果(偉い人や有名大学、有名企業などで受け手の評価が最初からポジティブになりやすい効果)などのバイアスがかからないように、定量分析でより客観的に調べます。しかしながら、特徴的な人・モノを調べたいケースやサンプル数(対象数)があまりに少ない場合は定性研究を用いるようにしています。
立場から考えると、若手は定量分析、ベテランは定性分析です。これは分析者によって事前評価の差がわかれにくいので、若手は定量分析で実績を積んでいくことがベターです。一方で、ベテランは前述のハロー効果や切れ味の鋭い視点があれば、定性分析を行う方が評価を得易いと言えます。若手で定性研究で実績を積むことは本人のセンスによる部分が大きいので、あまりお勧めできません。

自身が定量分析で参考にしたのは以下の本です(定性分析の本は別の機会に紹介します)。








いかがでしたでしょうか?定量分析と定性分析はTPOで使い分けることが最も重要です。それぞれの具体的な手法はまた別の機会に紹介します。

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